文字数:約6500字
投稿日:2022/02/07
まず使命とは、与えられた重大な任務、自分に課せられた尊い務め、責任をもって果たさなければならない任務、あたりの意味のほうで使われていると考えています。
星の子に使命があるということは、始めたばかりに一度きりだけ示されます。そのためそもそも星の子に使命があること自体を知らないというプレイヤーも多いかと思います。
では「使命」が示されるのはどこか。
Sky星を紡ぐ子どもたち オープニング(https://youtu.be/oeoL3rV5lhA)
Sky:Children of the Light-Intro(https://youtu.be/3dNShWJ0jiY)
神代の時代 銀河の煌めきは永遠を約束されていた
(With the stars united, our light was infinite.)
その日 過ちを犯した星々は空を追われた
(But darkness came, and the stars fell...)
落日の祖先たちは 地上に自らの王国を築こうとした
(Together, the fallen stars made a new home in the clouds.)
だがその試みも 長くは続かなかった…
(If only they had listened...)
数えきれぬ年月を経て 我らは使命の子らをここに迎える
(A long time has passed. Now, I call to you.)
汝よ旅立て 彷徨えし記憶を紡ぎ 我らを天へと帰すのだ
(Wake up, child. Bring our lost stars home.)
これはリリース当初のオープニングです。 現行(0.20.1)のものとだいぶ違いますが、星の子たちを「使命の子ら」と表現しています。英語では使命にあたる単語はなく、星の子のことをyou(TGCは星の子=プレイヤーと扱っています)とだけ称しています。
初期オープニングの文言だけでは精霊解放をし、天空へ向かうことが「使命」なのかなとしか読み取れません。
孤島 新規ユーザー視点 日本語版(https://youtu.be/-1Z2jAxdwL0)
孤島 新規ユーザー視点 英語版(https://youtu.be/yRYGRaZ22rg)
この地の精霊たちは長い間待ち望んでいました、あなたの訪れと…
(The spirits of this realm have long awaited your arrival...)
…あなたの光を
(...and your light.)
星々はひとつとなり、とこしえの光を放ち…
(With the stars united, our light was infinite...)
…みな共に、調和の中に生きていました
(...and together, we lived in harmony.)
精霊として、我らは繁栄を目指し…
(As spirits, we soon became many...)
…この雲の中に、安住の地を築きました
(...creating our home here in the clouds.)
しかし闇が押し寄せ、星々は落ちてしまいました…
(But darkness came and stars fell...)
…そして光と共に我らは、少しずつその姿を失っていったのです
(...and with their light we faded away.)
悠久の時を経て、今あなたに呼びかけましょう。
(A long time has passed. Now we call to you.)
進みなさい、星の子よ。精霊たちを星々に還すのです
(Go forth, child. Return our spirits to the stars.)
近くにいらっしゃい。さあ、あなたの旅を始めましょう…
(Draw near, so we may start you on this journey...)
我らが星の子よ…準備は整いました
(At last, child...you are ready.)
神殿の呼び声に応えましょう
(Begin by answering the temple's call.)
精霊たちが空に光を灯し、我らの地をつないだならば…
(Spirits once lit the skies and connected our realms...)
…神殿にて、大精霊たちが彼らが空へ還れるよう、導いてくれるでしょう
(...in temples, our elders would usher them skyward.)
しかし今は…精霊たちの光は失われています
(But now...their light is lost.)
この地方のどこかで助けを求める精霊を目覚めさせ、先に進みましょう
(Awaken the spirits still lost in this realm to proceed.)
この精霊は感謝の祝福とともに大精霊の神殿で待っています
(This spirit waits with an offering of gratitude at the Elder's Temple.)
次の地へ向かいましょう。また別の大精霊があなたの来訪による目覚めを待っているでしょう
(Journey on to the next land. The other Ancestor Elders are waiting for you to wake them up.)
他の大精霊たちもそれぞれの神殿で目覚めの時を待っているでしょう
(Other Elders wait in distant temples to be awakened.)
どうか彼らを還して、星の子よ、我らは光の中に現れるでしょう
(Restore them, child, and we will wait for you in the light.)
これは2021年5月末(0.13.4)に変更された時のオープニング〜チュートリアルです。現行版とは文言以外はほぼ変わらずですが、以前のものとはガラッと変わり、文章量がかなり増えました。
読めばわかりますが、実は二代目オープニング、日本語にも英語にも、使命または使命に類する言葉がありません。
初代オープニングの星の子の使命と言えそうな部分の「汝よ旅立て 彷徨えし記憶を紡ぎ 我らを天へと帰すのだ (Wake up, child. Bring our lost stars home.)」は二代目になると「進みなさい、星の子よ。精霊たちを星々に還すのです (Go forth, child. Return our spirits to the stars.)」となっています。なんとなく、日本語訳のほうに原語であるはずの英語を寄せたような変更になっているような…?
チュートリアル部分も精霊解放についての説明として天へ還すことが繰り返されており、精霊解放と天空へ行くことが重要な行動であることは示唆されています。
【Sky星を紡ぐ子どもたち】孤島(0.19.5)新規ユーザー視点 日本語版(https://youtu.be/G0np5IrC8ng)
【Sky星を紡ぐ子どもたち】孤島(0.19.5)新規ユーザー視点 英語版(https://youtu.be/EPo73KAVBUY)
ついに、この世界に戻られましたね
さあ思い出すのです、星の子よ
(At last, you returned to this world. Remember, Child─)
あなたの光は祝福
(your light is a gift.)
全ては星の光の息吹
(All are given breath by starlight.)
我らの始まり、それはやがて星々のもとへ還る喜びを胸に生きていました
(The first of us lived in joy that we would one day return to the stars.)
ともに、我らは雲の中に王国を築きました
(Together, we built a Kingdom in the clouds.)
そして星の光を使い七つの地方をつないだのです
(We connected the seven realms with the power of starlight.)
しかし次第に空に闇がしのびより
(But then the Sky went dark.)
王国は砕け散ったのです
(and our Kingdom shattered.)
我らの多くが、これより先、様々な場所にてとらわれています
(Many of us are still trapped in these realms.)
お願い、星の子よ…どうかあなたの光を落ちた精霊たちへ届けてください
(Please, Child... Bring your light to our fallen spirits.)
失われた子どもたちを探し光を集めましょう
(Seek Lost Memories to gather Winged Light.)
行きなさい、星の子よ
空の王国があなたの光を待っています
(Go. Child. The Kingdom of Sky awaits your light.)
神殿の呼び声に応えましょう
(Begin by answering the temple's call.)
迷っている精霊たちを解放し、鐘の音を辿り神殿に向かいましょう
(Free lost spirits and follow the bell to the temple.)
このような星の封印は、かつて王国の各地方をつないでいたのです
(Spirit Gates like this one once connected the realms of Sky.)
この封印の先に見えるは神殿、大精霊たちが精霊たちを導き、星へと還していた場所です
(Beyond this gate is a temple, where the Elders once shepherded spirits back to the stars.)
ですがその大精霊たちも落ちて久しい…
(But the Elders fell long ago.)
この精霊を解放し、星の封印を解き、神殿へ向かいましょう
(Free this spirit to power the Spirit Gate and reach the temple.)
この精霊は感謝の祝福とともに大精霊の神殿で待っています
(This spirit waits with an offering of gratitude at the Elder's Temple.)
祭壇に光を灯し、この神殿の大精霊を目覚めさせましょう
(Restore the alter's light to awaken this temple's elder.)
次の地へ向かいましょう。また別の大精霊があなたの来訪による目覚めを待っているでしょう
(Journey on to the next land. The other Ancestor Elders are waiting for you to wake them up.)
7つの地方で、他の大精霊たちも目覚めの時を待っているでしょう
(Across the seven realms, other Elders wait to be awakened.)
皆に光を、星の子よ。そしてあなたの使命を果たすのです
(Restore them all, Child, and fulfill your destiny.)
これは2022年11月末のアップデート(0.19.5)で再度変更された現行(0.20.1)のオープニング〜チュートリアルです。キャンドルに火を灯して壁画を出すことでオープニングが語られるという表現方法は二つ目と変わりませんが、文章に変更がありました。
オープニングの部分(孤島洞窟)では二代目と同じく使命と使命に類する言葉はありません。
初代の「汝よ旅立て 彷徨えし記憶を紡ぎ 我らを天へと帰すのだ (Wake up, child. Bring our lost stars home.)」と二代目の「進みなさい、星の子よ。精霊たちを星々に還すのです (Go forth, child. Return our spirits to the stars.)」にあたる部分は「お願い、星の子よ…どうかあなたの光を落ちた精霊たちへ届けてください(Please, Child... Bring your light to our fallen spirits.)」で、初代、二代目と比べると天へ還すという曖昧な表現では無くなり、光を届ける(与える)という具体的な指示になっています。
では精霊たちに光を与えることが使命なのか?
「皆に光を、星の子よ。そしてあなたの使命を果たすのです(Restore them all, Child, and fulfill your destiny.)」
現行で「使命」が出てくるのはここです。使命にあたる英語はdestiny。destinyは良い運命の時に使うのだそうです。自分では変えられない、逃れられない宿命(fate)とは違い、物事の流れでもたらされる、自らの意思で決定できる運命のことを言うようです。Restore them allが皆に光をと日本語訳されていますが、精霊を天へ還すことと光を与えることが表現を変えただけで同じことなのだと考えられます。
そしてここで重要なのが、精霊に光を与え、「そして(and)」使命を果たせと言われていることです。
つまり、光を与えることと使命は別だということです。
AURORAの季節の記事https://trnk999.wixsite.com/vcos/forum/auroranoji-jie/aurorakonsatokao-chaで「AURORAと一緒に転生したのが正しい死に方、正しい巡りなのだとすると、星の子のいつもの転生もちゃんと正しい巡りになっているのだろう」と考察したのですが、AURORAと一緒にした転生というのは原罪で羽を配る、座り込んだ白い子とハグをする、という部分がありません。AURORAの季節では星の子は光の生物として扱われていたので、光の生物としてはそこの過程は必要無いということだと考えられます。
原罪で石像に羽を配ることは光を与えること(bring your light)。白い子とハグをするのは逆に光を与えられているようですが、天へ還すこと(restore them all)にあたると思われます(光の子を身のうちに取り込むのと同じだと考えています)。
二代目までは、精霊を天へ還すこと(光を与えること)は星の子にしか出来ないことなのでこれが星の子の使命なのかと考えていました。しかし現行になってそれとは別に使命があると読み取れる文章になったので、他に使命と考えられそうな行動というと、上記のAURORAと一緒にした転生です。
星の子だけが出来る光を与えるということをしなくても転生は出来る。つまり原罪で光を与えることと、転生することは別物だということです。となると、使命とは転生することなのではないか?
そもそも転生とは何か。何故転生するのか。
原罪で光を与え切り、代わりに白い子のところへ行って光をもらい、肉体を捨てて天空へと昇り、光の生物たちと大きな光の塊に向かい、ゲートを潜ってホームへと帰ってくる。のがいつもの転生です。
AURORAとの転生は蝶から肉体を捨てた状態の星の子へと変わって天空へと昇り、光の生物たちと大きな光の塊に向かい、円形劇場へ帰ってくる。
共通部分は肉体を捨てて天空へ昇り、光の生物たちと大きな光の塊に向かい、王国へ帰ってくる、です。この部分が転生。
こちらはSkyのコンセプトアートが掲載されているTom Zhaoさんのサイトなのですが、Skyの世界は光(生物)が循環していることが描かれています。現行のゲーム内ではそういう壁画などはありませんが、星の子が転生するということはこの設定は生きていると考えられます。
この光の循環は、AURORAコンサートで表現されていた、小さな光が寄り集まって大きな光になり、光が増えてまた集まって…だと考えているので、光の循環を促すと世界に光が増えていくのだと思います。精霊たちに光を与えて天へと帰すことも光の循環を促していると考えられますし、闇の花を焼いて光の生物を助ける(解き放つ)ことも同じく光の循環を促す行為だと考えられます。ので、星の子が他者に光を与えることは光の循環を増やす行為。そして、自分が転生することは光の循環のひとつとなる行為と考えることができると思います。
星の子の使命とは転生することなのではないか。
光を与えることと光となることが別物として扱われているとして、前者がrestore them allであるなら後者がfulfill your destinyとなるのではないか。というのが私の考えです。
結局どちらも光の循環を正しくするという点では同じだと思われますし、おそらく以前までのオープニングでは両方を指して使命と表現していたのではないかと思います。しかし現行ではわざわざ分けて表現されているので、現行版としては星の子の使命は「星の子自身がひとつの光として光の循環を行う」ことであると考えます。