文字数:8,000字程
テーマ:現実世界の生態系をベースに解説し、Skyの生態系についての考察へ入る。
キーワード:生態系、生物多様性、メガバード、星の子の使命、コンセプトアート
【序文】
こんにちは、ヒースです。
今回はSky生態系についての考察をお話させていただきます。
生態系のお話は専門用語で説明する部分が多いです。普段する考察ではできるだけ噛み砕いて説明しているのですが、生態系の話は噛み砕くとどうしても文章が長くなってしまいます。
そこで今回は図表を用意させていただきました!
普段は図を自作しないので不慣れではあるのですが、もしも理解の一助に繋がれば幸いです。
さて「生物多様性を守ろう」「生態系を大切にしよう」いう言葉はよく使われておりますが。「では具体的に何をしたらいいか?」という部分はイメージしづらいかと思われます。
Skyはつながりや思いやりをテーマに掲げた作品です。そのモチーフの一つとして、生態系について語られる事もあります。
今回は生態系のイメージを掴む事で、製作陣がSky生態系を通して何を語りたいのか?と言う事を。筆者の目線から見える範囲で解説できたらと思います。
なお、本考察は姉妹作『Sky生物と現実世界系統樹の比較』との補完を予定しております。
あちらでは生態系の構成要素である「生物の種」についてお話させていただきます。
よかったら次回も読んでくださいね!
【目次】
【序文】
【目次】
【テーマ提示】
〇2つの生態系のイメージスライド
〇7つの用語一覧
【考察】
〇Sky生態系の考察
〇メガバード仮説について
〇星の子の使命
【蛇足:コンセプトアートについて】*この項目は読まなくても文章が成立する項目です。
〇コンセプトアートについて
【結論】
【あとがき】
【参考資料集】
【テーマ提示】
〇2つの生態系のイメージスライド
まずはパッと生態系のイメージを掴む為に2枚のスライドをお見せします。
図1:Sky生態系の予想図
これがSky生態系の筆者の予想図です。
*あくまでも筆者の予想図なので、今後のストーリーによって幾らでも変わる可能性があります。
図2:現実世界生態系
こちらは高校レベルの生物学で学べる範囲で、生態系を表した図です。
図1は筆者の予想するSky生態系の概要です。
図2は現実世界生態系の概要です。
図1の最大の特徴は「魂(“光”)の循環」が存在する点です。
図2は2つの存在で成り立っております。「生物」と「環境(無生物)」。更に循環としては「物質循環」と「エネルギー循環」の2つの循環を持ちます。図1はその2つ要素へ追加して、更に第3の要素として魂というレイヤーを加えた状態です。
次の項目から、細かな解説をさせていただきます。
サムネイルの関係で図1から掲載させていただきましたが、図1は図2を前提としております。
まずは図2から確認させていただきます。
【解説】
○図2 現実世界生態系の解説
まずは図に登場する用語を箇条書きで説明します。
短めな7項目にしてありますので、ザッとお読みください。
〇7つの用語一覧
①生物…生命を持つ存在。細かな定義はあるが今回は割愛。生態系においては「生産者」「消費者」「分解者」の3グループに大分される。
正確な単語表記は生物環境。
②無機環境…生命以外の全て。生物が必要とする物質の供給(炭素、酸素、窒素)、生物の住環境の提供(土地、海洋、大気)、生命活動に必要なエネルギー(熱、光、カロリー)などを生物へ与える。
今回は図表に入りきらなかったので、物質循環の一部のみを記載し、エネルギー循環は物質循環へ織り込んで表現を省略してある。
生物によって影響を受け変動する。(過去の例では27億年前〜24億年前の酸素の増加など)
正確な単語表記は非生物環境。
上記2つの説明:生態系とは、「生物」と「無機環境(非生物)」の2つ要素で成り立ちます。これらがバランスをとる事で、生態系は循環しております。
このバランスが崩れる出来事があった場合、大量絶滅イベントが引き起こされ、種の絶滅と、新たな環境へ適応する爆発的な進化が引き起こされます。(過去の例:ビッグ5大量絶滅イベント)
恐らくSky内では光が希少になって行った事から、精霊の生活や、闇の生物の飢餓による陸上進出があったのだろうと筆者は予想しております。
次に、生物の内約となる3要素を解説します。
③生産者…生態系へ物資を供給する生物。環境から無機物を取り出し、生物が利用可能な有機物を生産する。
光合成する植物を中心に、化学合成細菌やクラゲ&サンゴ体内共生藻類が含まれる。
Skyでは現実世界と比べてやや変則的だが、光の生物が全般的に該当するだろう、と筆者は考えている。
④消費者…他者を捕食する生物。生物の個体数のバランスを一定に保つ。
動物を中心として、自力で移動できる生物が中心。食物連鎖の為に運動機能や牙や爪や殻を持っていたりもする。
Skyでは精霊&その他生物&闇の生物が該当すると、筆者は考えている。
⑤分解者…生物を分解する生物。老廃物や遺骸を分解し、植物が生み出して生態系を循環してきた有機物を、無機物に戻して環境へ送り返す。
茸、カビ、細菌などの微少な生物が多い。
Skyでは蝕む闇&光の生物が該当すると、筆者は考えている。
最後に、作用と反作用の説明をします。
⑥作用…無機環境から生物への影響を示す言葉。
Skyの世界では環境中の光の量の減少によって、生態系のバランスが崩れた事が例に挙げられる。
⑦反作用…生物から無機環境への影響を示す言葉。
人間の活動で二酸化炭素が増えた事が例に挙げられる。
もしかしたらSky世界でも、精霊が光を使いすぎた所為で無期環境が乱れる事があったのかもしれない。
さて、生態系の7つの要素はこれで説明できたかと思います。
上記説明によって、生態系とは生物と非生物、物質とエネルギーの循環によって引き起こされる流動的な現象なのだと説明できます。
そしてこの流れはSky世界にも見ることができます。
Skyの世界では”光”エネルギーは生命を内包する、特殊な性質を持っております。いわば「光+生命エネルギー」と言える存在です。
(故に筆者は“光”を現実世界の光とを区別して、“光”と表記させていただいております)
海洋には酸素を放出するサンゴや海藻がおり。
また“光”エネルギーを生産する光の生物がいて。
“光”エネルギーは精霊やその他の生物や闇の生物によって消費される。
そして肉体は蝕む闇や光のキノコによって分解され、土や水や大気へ還る。
生物から非生物へ分解された物質とエネルギーは環境をめぐり、再び拾い上げられて生物の間を巡る。
万物の流転。
Sky世界にも現実世界と同じものがあるのです。
では、図2現実世界の生態系の説明を終えます。
本題である図1:Sky世界生態系の考察に入りましょう。
【考察】
○Sky生態系の考察
Sky生態系の図をご覧いただきますと、図2の2要素へ加えて、新たに1つの要素が加わっております。
魂の循環。
そして魂の循環を、星の子とメガバードが担っている、という仮説を表した図です
Skyの世界では「炎≒生命」であるという事が度々示されております。
草原の大精霊によって、ろうそくの火から蝶々が生み出されてたり。
蝕む闇を焼くと、蝶々が登場してたり。
筆者が深淵の巨影と仮称する生物の体内から、光の生物の群れが出現してたり。
この様に炎、つまり“光“エネルギーが生命を司っています。
筆者はこの“光”エネルギーの集合体こそが星の子たちの生まれ故郷だと考えております。
というのもSkyのOPは星の子が何者かの声に導かれて王国へ送り出される、あるいは呼び出される場面から始まっています。(時期によってOP文章は何度か変わっています)
OPでわかる情報は4つあります。
・星の子は何者かの意図によってSky王国へ行く事となった
・星の子の旅には明確な目的がある
・星の子は“光”を共有する事を求められている
・星の子が生まれた時からできる能力に、キャンドルの炎を取り出す事があげられる
この4つです。
このうち炎については、星の子が“光”を共有するという目的を果たすために、何者かが星の子へ与えた能力だと筆者は考えております。
つまり星の子へ使命を果たす為の能力を与えた存在が居たという考えです。
では誰が星の子を送り込んだのか?
それは現在の所、メガバードが送り込んだか、あるいは大精霊が呼び出したのだろう、と筆者は考えております。
今回、筆者は“光”エネルギーの集合体…すなわちメガバードが存在するだろうと仮定でお話をさせていただく予定です。
〇メガバード仮説について
メガバード。それはコンセプトアートに存在が語られ、存在するかしないか度々議論になっている存在です。
メガバードは“光”の集合体であり、“光”の化身。あるいは全ての生物を代表する集合意識であると考えられております。
Sky本編内では度々暗喩がされており、EDの鳥のような星雲、秘密のエリアの入り口のイラスト等で姿を確認する事ができます。 具体的には以下の4か所です。
・序盤の神殿入り口に描かれた鳥の紋章。
・秘密のエリアの入り口のイラスト。生物たちが渦を巻いて集まり、巨大な一つの鳥となる様子。
・預言者の季節の壁画。生物たちが渦をまいており、秘密のエリア入り口を連想させる。メガバードを意識し中心人物をすり替えたイラストだと考えられる。
・Sky EDの鳥のような星雲
以上の4つが現時点でメガバードを暗喩している要素だと考えられております。
メガバードの存在は明示されておらず、未だ本編に実装されているかどうかは不明です。
別にメガバードが居たのだ、という話でなくとも良いのです。
例えば大精霊が星の子を呼び出した、と主語を入れ替えても本考察は成り立ちますので。
ただ今回の仮説では、筆者はメガバードを特別なファクターだと考えているので、メガバードがいると仮定した上で記載を続けさせていただきます。 更に、メガバードには自我があり、“光”を維持する事を命題としていると仮定します。 ただしメガバードの規模についてはどの位でも構わないと考えます。(筆者は「“光”の付喪神みたいな存在で、あらゆる生物達の集合意識なのだろう」程度に考えております)
(*まあ、作中で明示されていない以上、数ある仮説の一つとして他の説と並走して考えるべきでしょう。
例えば、送り出された事は確かだけれど、送り出したのはメガバード以外の誰かであるとか。
或いは、星の子は大精霊に呼び出されたという論でも大丈夫な訳です)
〇星の子の使命
さて、もしも仮にメガバードが星の子を生み出したのであれば。作中で星の子がする行動はメガバードの願いを反映したものである筈です。
(*あるいは「大精霊に願われ呼びだれたならば」でも置き換え可)
星の子は炎を保有します。炎を共有し、光の生物と協力し、蝕む闇を焼き、”光“エネルギーの循環を助けます。
そして、精霊たちの魂を回収し、自ら死を迎える事で天空へ還ります。
その後転生し、再び旅に出て同じ事を繰り返します。
プレイヤーたちは季節を経る度に、光で満ちてゆくSky王国を目撃しました。
光の玉クエストは2番目の季節である光の探究者にて追加されました。
6色の灯り(色付きの光の玉)は5番目の季節である魔法の季節から登場しました。同時に魔法屋が登場し、自由に魔法を買える様になりました。
デイリーライトは9番目の大樹に集う季節の直前から。
ソーシャルライトは11番目である羽ばたく季節を皮切りに、徐々に各地へ取り入れられて行きました。各地の生態系を繋ぐ風の街道ではいつでもデイリーライトを取得できる点は特筆すべきでしょう。
また14番目である砕ケル闇ノ季節の直前から、蝕む闇を焼くと蝶々が現れる様になりました。
この様にSkyの王国は星の子の活動によって徐々に”光”エネルギーに満ちてゆく様、アップデートが行われてゆきました。
忘れられた方舟はテラフォーミングを果たし。
風の街道は各地の生態系を繋ぎ。
秘宝の環礁では数多の海洋生物が蘇りました。
Sky王国の自然は蘇っている。“光”の循環によって、星の子による“光”の循環の促進によって。
星の子の旅と転生によって循環は円滑になった。
故に、筆者は“光”…つまりは魂の循環というファクターがSky世界には存在すると考え、図1のSky世界生態系予想図を制作した訳です。
図1は星の子が”光”や魂を回収し、メガバードへ還しております。
なぜかというと、恐らくはメガバード単体で“光”の循環を行う事が困難な状況になったからでしょう。
筆者の考えで言うと、これまでとは環境のバランスが崩れた事で、メガバードが補助を必要とし、その役割を果たす存在を欲したのだと考えております。
自然に資源が枯渇したのか?
或いは精霊によって人為的に枯渇したのか?
どちらが原因かは分かりませんが、どちらにしろ手を打たねばならなかった。
なぜならばメガバードは“光”の集合体です。“光”が消える事はおそらくメガバードの本意ではないでしょう。
また、エネルギーの循環は生命4定義の1つ「物質とエネルギーの流通を持つ事」を担う必須条件でもあります。
ですので、星の子がメガバードの役割の一部を担いエネルギーの循環を支える必要があったのです。
星の子は、現実世界の生物学では全く説明ができない特別な存在です。
特別な存在である星の子の活動は、Sky世界の特別な生態系を支えているのです。
Sky制作陣はこの生態系によって、Skyのテーマである「つながり」「助け合い」を表現しているのだと、筆者は捉えております。
【蛇足:コンセプトアートについて】*この項目は読まなくても文章が成立する項目です。
【結論】
Skyの生態系は”光”循環が重要なファクターである。
“光”は特殊な生命エネルギーであり。現実世界とは異なるSky世界独自の存在である。
“光”による魂の循環がSky世界の生態系と特徴であると推測される。
星の子は”光”循環を補佐する役目を担っていると推測される。
星の子の活動はSky世界の生態系を守る事へ繋がっているのだろう。
Sky制作陣は生態系を表現する事によって、Skyのテーマである「つながり」「助け合い」を表現しているのだと筆者は捉えている。
【あとがき】
Sky考察をし始めて2年くらいで「そういえば生態系のお話した事ないな…」と思いまして。
どうしようかとあれこれ考えていて、時間がまた経ってしまいました。
生態系についての解説は難しいので、今まで触れたことがなかったのですが。考察をする良い機会となりました。
なんだか星の子の使命についてお話したり。メガバードがいるかいないかという話をしたり。話が広がってしまった部分がありますね。
前後編へ分けてよかったです。
もうね!生態系の話ずっと話したかったんですよ!!
でも言葉では伝えきれないではないですか?だからずっとうまく話せずにいたのです。
今回はずっと考え板事を形にできてすっきりしました!!
生物学を学んでいた自分の視点が、他の分野の方々の考察の一助となればいいな。
以上のあとがきを以て、本考察の結びとさせていただきます。
最後までお読みくださりありがとうございました。
2023年3月5日
ヒース @dauanelyuma