この前ヒースさんが記事を投稿なさった流れでヒースさんとTwitterでお話しいたしまして、その際触発されて私もSkyにおける各種生命(光の生物、闇の生物、精霊、大精霊、そして星の子)についての記事を書いてみようかなと思いました。
一応生物に関しては門外漢なのですが、とりあえず私の持っている知識を総動員して書いてみようと思います。ちょっと知識が古いかもしれませんが…。
もちろんSkyは現実世界ではないので、ゲーム内で描かれるような明らかな相違点以外にも現実世界とは完全に同じ仕組みではない可能性は頭に入れておいてください。
また、地球の生物についての話も例外はあります。とりあえず大まかな話として聞いてください。
Skyの生物史(前半)
まずはこれを地球のものと見比べつつ考察してみましょう。
とは言ってもSkyで提示されている情報がかなり少ないためだいぶ端折ることになります。
地球の生物史について考える場合真剣にやると地球が形成される段階のマグマにおおわれていた時代からだんだん冷えていき、大量の雨が降って海が形成され、その中でアミノ酸が…みたいな話をしなければならないのですが、そもそもSkyでは生物がいなかった頃の時代は分かりません。Skyの王国の過去について学ぶ時、現状では基本的に精霊か、生物か、とりあえず誰かの記憶を通して見ることになりますが、生命が存在しない時期のことは当然誰も見た事もないので知らないでしょう。もちろん地球についてもそれは同じですが、研究結果を通して推し量ることは出来ます。Skyにも地球の学者のようにそれを研究していた精霊がいたかもしれないので、彼らの記憶を通してその知識を垣間見ることはできるかもしれませんが、そうでなければ、それこそ生命が生まれる前から世界を俯瞰する観測者のような存在がいない限りは知りえないことです。ともあれ、いずれにせよ情報は今のところありません。観測範囲内では設定画にも生命の起源のことが描かれているものは見つけられませんでした。ストーリー的には重要ではなかったのかもしれません。
ともかくそういうわけですからそこら辺はカットせざるを得ません。現実世界でどうだったとしても、Skyでそうだったのかは現状分かりませんからね。
Skyの生物に関する記憶の中で、1番古い記憶と思われるのがAURORAバーチャルコンサートのRunawayの記憶です。
ここでは最初に水の中の生物が登場します。
地球の生命は海で誕生したと言われています。植物も動物も、海から陸に進出していったのです。脊椎動物でいえば、大まかに水の中で生きる魚類→水陸両方で暮らす両生類→完全に陸地に適応した爬虫類・哺乳類、そして爬虫類→鳥類のように進化していったとされているようです。私の記憶だと爬虫類から哺乳類に進化したと説明された記憶がありますが、どうやら今の研究だと両生類から爬虫類と哺乳類の祖先が分岐した可能性が高いようです。
とにかく、ここでは地球の生物は海から陸、そして一部は空に進出した、ということが重要です。
先のRunawayの記憶は海の中から始まりました。そして生物視点ではここから急に空に進出します。
魚から蝶になっているのです。
そして進むと途中に雲が現れ、そこを抜けると精霊が現れます。
かなり省略されていますが、ひとまずSkyでも生物は最初海にいたと見ていいのではないかと思います。そしてそこから水上に進出し、光の生物は大まかに蝶に代表される「空棲生物」と精霊に代表される「陸棲生物」に分岐進化したと私は解釈しました。
ただし、現在のSkyの世界では水棲生物も見られます。
現実世界には鯨やウミガメなど一旦陸上に進出したのちに海に戻った種もいるのでややこしいですが、現実世界でも魚類のように水中で生きる種のまま進化し続けたものがいます。それと同じことで、Skyでも水棲生物の一部が空棲生物と陸棲生物に分岐し、一部は水棲のまま残った、と思われます。
さて、「空棲生物」は(鳥という例外はありますが)基本的に陸に自立できる構造はしておらず、(もちろん弱ったり負傷したりすると飛べなくなることが示されていますし、AURORAのWarriorの季節クエストで見られるように過度に疲れた場合は飛ばずに休むこともあるようですが)代わりに、空を飛ぶことが出来るというのが特徴のようです。
この中には、両生類のように両方の環境がないと生きられないのか、それともどちらでも生きられるというだけなのかはわかりませんが、海と空中を行き来する存在もいます。
一方、「陸棲生物」は逆に飛ぶことができず(少なくともその描写はなく)、その代わりに足で地面を歩く生物です。これは今のところ精霊と蟹以外にいないように思われます。蟹は水中で暮らしているものもいます(陸上のものと同種かは不明)が、精霊は恐らく(人間のように水中に潜ることは可能でも)生身で水中で暮らすことはできないのでしょう。深淵の季節の壁画の精霊も直立しており、施設自体は元は水中になかったことを伺わせます。
そして特に精霊は現実世界のヒトのように二足歩行をし(四足歩行の時代もあったのでしょうか。蟹以外の陸棲生物の例が見られないのでちょっとわからないです。お面としては、預言者の季節のように現実世界に存在する動物のようなものがモチーフになっているものがあります)、手で道具を使い、技術を発展させたようです。生物や舟に乗ることで、完全に自由とまではいかないでしょうが「飛ぶことができない」というハンディキャップもそこそこ乗り越えたように思われます。
そして、このように進化が進んだとすれば、恐らく精霊たちもヒトと同じくとてもとても遡れば全ての他の生物と同じ祖先を持つ、光の生物の一種と見ることができるでしょう。
Skyにおける全ての生命は天に還る
宗教的な意味合いではなく自然の摂理として、Skyにおいては、これが生命の大原則であることが伺えます。これは現実世界とは大きく異なる点と言えるでしょう。
たとえば、恒常精霊は星の子が大精霊の神殿で祈ったあと天に昇ります。
季節の精霊も特定の条件を満たすと同じように天に昇ります。
大精霊も特定の条件を満たすと天空に現れます。
生物の魂も闇の破片を浄化したあと天に昇ることが分かります。
もちろん星の子も例外ではありません。原罪の後に星の子達は天空に行きます。
星の子は天に昇るだけではなく、そこからまた地上に帰ってきます。ゲーム内では他の生物に関しては詳細に描かれませんが、私はこれもSkyの生命の原則のひとつなのではないかと思います。
Tom Zhaoさんのコンセプトアート( https://www.tomzhao.com/sky1 )を見ると、言葉を混じえて生命の循環を説明する絵が何回か描かれています。
まず105枚目では、年老いた生物が特定の場所に行って肉体を捨て、天に昇り、進化してまた生まれるといったサイクルを繰り返す図が描かれます。
113枚目にも似たような絵が現れます。空っぽの魂が人間の世界(Skyの「ヒト」である精霊の住む世界、つまり王国のことだと思われます)に降り、満たされた魂が空の世界(ややこしいですがおそらくここでは現在のSkyの「天空」にあたるものでしょう)に昇る循環が示されています。
116枚目はSky史のストーリー案ですが、この冒頭でもちらっと生命の循環について触れられています。それによれば「一つ一つの魂は人間の世界と空の世界を通り円環となって巡っている」と書いてあり、先程の描写と似ていることが分かります。
つまり、死んだ生命は天に昇り、その分新たな生命が生まれることになります。これは死んだ生命が天に昇ることがなければ、新たな生命が生まれることもないということも意味します。
さて、これが自然であるとすると、過去のSkyでは疑問が残りました。星の子が天空に向かう際に、生物達も一緒に飛んでいきます。この場所から天に昇るのが自然であるならば、自力で移動できないor空を飛べない生物は天に昇ることができません。たとえば光のキノコです。
また、深淵の季節では水棲生物が大量に増えたことにより、疑問はさらに大きくなりました。
彼らはどうやって天に還るのでしょうか。
しかし、私はそれは砕ケル闇ノ季節で解決されたように思います。闇の破片を浄化したあと、生物の魂は天に登ります。飛ばない蟹の魂もです。
よくよく考えれば季節の精霊も魂の状態になると普通に天に昇ります。恒常精霊も記憶を解放したあと直接天には昇りませんが、かなり自由に飛びながら神殿に向かいます。精霊がそうならば、生物もそうであるというのは自然です。
生物は魂だけになったあと天に昇る術を本能的に知っていると考えるのが妥当でしょう。
では精霊はどうでしょう。
オープニングでは「大精霊たちが精霊たちを導き、星へと還していた」と語られます。実際に恒常精霊は対応する地方の大精霊の神殿で瞑想しなければ天に昇らず、星座にも追加されません。
精霊は死んだ後に天に昇ることが難しくなっていったのかもしれません。大精霊の役割のひとつとしてそれを補助する役割があったのだと思われます。
しかし季節の精霊たちはクエストをクリアすれば大精霊によらず自力で天に昇っているので、これについては精霊の中でも個人差があったのかもしれません。
オープニングでも、英文では「Many of us are still trapped in these realms.(我らの多くは未だこれらの地方にとらわれています)」と書かれているため、他にも自力で天に昇れた精霊がいた可能性もあります。
残るは大精霊ですが、彼らは謎の存在です。Runawayの時間軸には既に孤島の大精霊が存在し、精霊を出迎えます。
彼らは一体どこから現れたのでしょうか。そもそも精霊たちの魂を天に導けるのだとしたらすごい存在です。しかし彼らも恒常精霊を全て天に戻し、星座を完成させると天空に現れるため(彼らの現在の役目が自分の力で天空に戻れない精霊を補助することのみだとしたら、その役目を終えたからでしょうか)、Skyの生命の枠の中にいることは確かです。そうだとしたら、彼らもどこかで分岐して進化したのでしょうか。
Skyの生物史(後半)
さて、後半です。
今度は闇の生物についてです。蝕む闇、闇の蟹、暗黒竜、深淵の季節の巨大な生物などが含まれます。
現在の闇の生物はこの生命の循環の法則からすると、かなり不自然な存在です。彼らは光を、命を奪います。あるいは絡めとって動けなくします。
すなわち、命の循環をせき止める存在です。
そして深淵の季節の巨大な生物は膨大な数の光の生物をその中に貯め込んでいました。
Skyの世界では、あのように際限なく奪い、溜め込み続ける行為は、単に命を奪うだけではなく、新たな命の誕生も阻害することになるのです。これはSkyの生態系を根本から破壊しかねない危険な存在です。
このように不自然な存在であるため、彼らが自然に生まれたとは思えません。そのため、私は元々別の生態を持っていた生物が、なんらかの悪影響を受けて闇の生物に変化したと考えています。
先程ご紹介した設定画の中での言及にもその根拠があります。
闇や闇の生物に関連する絵には、「corrupt(汚染、堕落などの意味を持つ)」の言葉がよく使われます。
また、116枚目では、「生物は嵐の中心に捕まって汚染され見た目にそれとわからなくなる。彼らは今や、道を見失った悪意あるものとして地を彷徨っている。」
と書かれています。
そして過去の設定画を見ずとも、ジェノヴァさんは公式ブログ記事( https://www.thatskygame.com/news/sky-2nd-anniversary-livestream-recap )において少なくとも暗黒竜に関しては「They are corrupted.」と明言しています。
つまり、闇の生物は汚染された、あるいは堕落した存在であることが示唆されています。ということは、その前があったということです。
闇の生物も過去においては光の生物であった、あるいは少なくとも命の循環のうちにいた生物だったのではないでしょうか。たとえば生きている生物を狙わず、その死骸を食べていたとか、生物から光を奪ったとしても、自身が死ぬ時にその分の光を放出していたため、光の循環には問題がなかったとか。
たとえば現在も無害な蟹はいますが、過去にも蟹は無害な時代があったことが示唆されています。分かりやすいのが想いを編む季節の訴えかける親精霊の記憶ですが、ここでは蟹が精霊を攻撃するどころか逃げ回っていたことがわかります。
そのように以前は別の生態を持っていた生き物がなんらかの原因で異常をきたし、今の闇の生物になってしまったのかもしれません。corruptといえば、砕ケル闇ノ季節オープニングでも「Go together with your friends to remedy the corruption.」と言及されます。闇の破片は闇の生物を現在の状態にした一因なのでしょうか。
もし彼らがそのように不自然に変異してしまった存在であるなら、Skyを死の世界にしないためには、闇の生物を元の生態に戻す、少なくとも命の循環に影響のない存在に変化させていくことが必要であると思われます。
星の子はどういう存在か
では、「星の子」という種はどのような性質を持つでしょう。
星の子の体の構造はかなり精霊、というよりは精霊の子どもに近いようです。しかし、精霊とは違い、光の翼の数による制限はあるもののそれなりに自由に飛ぶことができます。ちなみに水中にも短い時間なら滞在できますが、恐らくは精霊と同じくらいの時間でしょう。AURORAバーチャルコンサートの演出からも、精霊が絶滅したあと長い時間の後に新たに誕生した、光の「空棲生物」と精霊の特徴を併せ持った進化した種であろうと思われます。
星の子のもうひとつの大きな特徴として、「光によって、他者を闇から解放することができる」ということが挙げられます。
これは恐らく星の子のみにできることです。
今のところ精霊や生物が闇から他の生命を解放する描写はありません。特に生物にはそれは不可能であると思われます。
なぜかというと、たとえば雨林では小さいマンタが星の子を案内するように飛びますが、闇にとらわれたマンタの周りで飛ぶだけで闇から解放することはしません。羽ばたく季節の大マンタでさえ闇にとらわれた他の生物を解放できず、星の子が闇を溶かすまで行動しません。光の生物は星の子(恐らくそれ以外の精霊や生物にも)に光を分け与えることは出来ますが、闇から解放することはできないのではないでしょうか。
大精霊の神殿で瞑想しない限り対応する地方の恒常精霊が天に昇ることがないので、恐らくは星の子自体には魂を天に還す能力もないと思われます。しかし、ゲーム内の描写を見る限りでは闇にとらわれた生命は闇から解放しないと天に還ることが出来ないようなので、星の子の能力は現在の闇に覆われたSkyの世界には必要不可欠なものと言えるでしょう。まさにオープニングで言及されるように、「あなたの光は祝福」なのです。