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挨拶代わりに初回の考察をまとめて満足したところで、シナモロールコラボの話が出たので驚いた。
まだどんな形のコラボレーションになるかは明言されていないので完全に推測ではあるものの、キズナアイの時のようにグッズやアイテム販売がメインになりそうな気はする。
ということで(?)グローバル版Skyにおけるコラボ先の選定基準について個人的に考えて言語化した過去の投稿を、現時点の情報も加えて再編してみた。
なお運営元の異なる光遇(中国版)については、運営方針や体制の違いからこの限りでないことに留意されたし。
かつ、ヴィレッジヴァンガードやミラティブ等とのゲーム外コラボについては今回あまり触れず、あくまでもSkyの物語やゲーム体験に関わる部分のみを主題とする。
現状、大型の季節イベントが実施されたのは星の王子さま・AURORA・アニメ映画版九色鹿である。キズナアイはイベントストーリーこそ無かったものの、ゲーム内アイテムや本人?がオフィスに出現する形でミニコラボを行った。
版権ものに留まらず、The Ocean Cleanup等と連携したチャリティーイベントも、広義にはコラボレーションと言えるだろう。
こう考えると、Skyがコラボ先に対して重視する要素がいくつか共通して見えてくる。個人的にこれを
・自由や友愛、善性、子どものような無垢さを良しとする
・世界的知名度
・社会問題との親和性
・死生観と結びついている
……といったところに大別してみた。
すべてのコラボ先が要素を常に必ず満たしているわけではないが、大なり小なりこれらの要素につながるものがあるところを選定しているのではないか、というのが私の仮説である。
①自由や友愛、善性、子どものような無垢さを良しとする
Skyの世界が「こどもの国」である以上、この要素は最も外せない。
星の王子さまは子どもが持つ自由な感性を尊ぶ物語だ。AURORAの楽曲はしばしば子ども時代に回帰し、世界に対して純粋な心持ちであれと説く。
九色鹿は初出が説話なので一見して無垢性とは程遠いものの、動物の仲間たちとともに暮らし、何にも縛られず自由で、利害なく他者を助ける存在としての九色鹿に焦点が当てられている。
ちなみに数年前、他社製にはなるが「アークナイツ」というゲームでも九色鹿コラボが行われていたそうだ。
ここでその際の告知動画を見てもらいたい。
https://youtu.be/Y7TAnDC91Ws?si=6dmd4X5gbCRbO-XL
Skyのティザー動画はこちら。
https://youtu.be/7C5hP7GzJU8?si=HVblqtuSDn6Pznc_
戦闘システムがあるアークナイツでは、鹿の超自然的な権能や威光に重きが置かれている。
そもそも物語がもともと仏教説話であり、鹿はブッダ(釈迦)が悟りを得るに至るまで経てきた前世の姿だというのだから、強者としての描写も納得だ。
対してSkyでは、生き物たちや星の子どもと交流する、友愛に満ちた牧歌的な姿がフォーカスされているのは特筆すべき点である。
②世界的知名度
ワンサーバーで全世界800万のアクティブアカウントを抱えているからには外せない項目だ。
もちろん実態としての知名度についてははかりようがないものの、長きにわたり世界的に評価されてきたならば可能性は高い。
ここまで見ると、日本のサブカルチャー文脈で生まれたキャラクターであるところのキズナアイは、国際的な知名度として比較的弱い部類に入るので少々異質だ。(それでも全世界に3桁万人くらいチャンネル登録者がいたと記憶している)
しかし彼女が「世界中の人と繋がりたい」という願いを活動理念としていたことは、①に照らして十分な理由となりうる。光遇での先行コラボや活動休止間際だったことなど、複合的な理由がありそうではあるが、コラボにおいて友愛や善性が最も重視される要素であることには違いないだろう。
シナモロールの開発元であるサンリオの経営理念は「みんななかよく」である。サンリオキャラクターの知名度は、これもキズナアイと同じく世界的には高くない。こう考えるとゲーム内でのアイテム販売やグッズ展開といったミニイベントに落ち着きそうである。
③社会問題との親和性
他者との交わりや自然との関わりに重きを置くゲームなだけに、紛争や環境問題といった現代社会の摩擦に向き合っていることも大切な要素である。
九色鹿は人類の驕りによる破滅や、環境保護の要素が強い。AURORAは紛争や環境破壊に対する問題提起が大きなテーマである。
星の王子さまは関連性が低いように見えるものの、原作では社会に「おとなにならされた」者たちの生きづらさを俯瞰し、子どもの視点から疑問を投げかけている。また、原作が第二次大戦下の亡命先で執筆されたことも無視できない。
自然の日々や虹かける(彩なす)日々のチャリティーイベントは言わずもがなだろう(そも日々イベントは現実の四季や社会情勢に応じたメタイベントの性質を持っている。コロナ禍初期の癒しの日々しかり)。
このあたりは季節・日々イベントとしてユーザー体験に深く食い込むコンテンツに強く見られる要素である。
④死生観と結びついている
これはとりわけ季節イベントに強く現れる要素と言える。というか死生観と強い繋がりのあるコンテンツでなければ、1シーズンに渡る物語をSky世界に絡めて展開することはできまい。
近年のソーシャルゲームにおけるコラボストーリーというものは、他のIPを翻案し世界観の中に取り込む行為だ。ステージ構成からして人間の一生に即しているSkyに取り込まれる物語は、自ずと生と死から切り離せないものに限定されていくと思われる。
AURORAコラボの発表前、日本コミュニティの有志によって盛んにコラボ先の予想大会が行われていたが、アニメや漫画などの創作物が予想として多く挙げられていた印象を持った。
私も一度はそんなコラボを見てみたいものだが、日本のアニメや漫画が持つ知名度はあくまでも「クールジャパン」としてのそれであって、それぞれのコンテンツに細分化したときの国際的な知名度はそれほど高くない。鬼滅とかチェンソーマンとか一部のIPは国際的知名度が高いものの、内容からしてそれらがSkyとコラボできるのかどうかは……推して知るべしであろう。
有り得そうな落とし所としては初音ミク(VOCALOID全体ではなく、現代サブカルチャーにおけるアイコニックな存在として)とのコラボなんてどうだろうか? キズナアイとかと似たような形で実現できないだろうか。やっぱり難しいかもしれない。
何にせよ、コラボ選定において考慮される一定の基準はこんなところなのではないか、というお話であった。
こんな基準も他にありそうだよという方、いらっしゃいましたらお待ちしております。
ほうほう..たしかにそういう条件(?)がありますね...